基礎・技術・定着の3ステップで、組織を活性化。


インテリアの専門商社 S社

ライフスタイルが多様化し、壁紙、カーテン、床材、椅子生地への個性や快適性、健康に対するニーズが高まる中、

インテリアを通して住空間をトータルにコーディネイトし、住空間にこだわりを持つ人たちの期待に応え続けるS社。

 

新築住宅はもちろん、住宅リフォ−ム、シルバー産業、店舗の改装など、様々なフィールドで高まる需要に最前線で

応える営業所長クラスを対象に、モチベーションマネジメント研修を導入した背景を人事部のHさんに伺いました。


モチベーションマネジメント研修を導入するに至った経緯は?

およそ50年前に壁紙を扱うという挑戦を始めました。
当時はインテリアという言葉が一般的では無く、大きな冒険だったと言えます。
以降、オリジナルのカーテンや床材、椅子生地と商品を増やし続け、インテリアのトータルコーディネイターとして、

住空間の心地良さや安らぎを実現してきました。
常に時代を見据えながら創造的な商品を生み出していくという「創造的デザイン」、お客様に満足して頂けるよう信頼される

品質を提供し続けるという「信頼される品質」、納得して頂ける適正価格を追求するという「適正な市場価格」を信念に

顧客満足を追求してきたのです。

 

そして、50周年という区切りを第2創業期と捉え、さらなる成長と飛躍を目指すために組織の核となる営業所長クラスの

管理職を対象に研修を導入することにしました。


研修の対象を主に営業所長クラスの管理職とした理由は?

弊社の商品は全てオリジナルブランドです。
しかし商品の製造はしていません。
品質とコスト面でもっとも優れた商品を生み出すために商品を企画・開発し、その商品ごとに最適なメーカーと提携して

生産する「ファブレス経営」というスタイルをとった商社なのです。
商社である以上、お客様の声を汲み取り、高付加価値のサービスを提供することが大切な役割であり社会への貢献と

なりますから、弊社においてもニーズに応えた商品を企画し提供することで、顧客満足度を高めていく営業部門が経営を

牽引する重要な組織なのです。

 

そして営業組織の中でも経営陣と若手社員を結ぶ縦のラインと各営業チームを結ぶ横のラインが交わるポジションにいる

管理職こそが、コミュニケーションの要となります。
この結節点である管理職のマネジメント能力が上がることでコミュニケーションが促進され、組織が活性化すると期待し、

まずは主に営業所長クラスの管理職を研修の対象にしました。


管理職に“モチベーションマネジメント”を体得させようとした目的は?

お陰様で、弊社はインテリア業界のトップにまで成長しました。
しかし、トップになったことである種の停滞感や、成長の鈍化が感じられるようになっていました。
以前は、経営陣の戦略のもと各営業スタッフが懸命に目標を達成し成長してきたため、トップダウンの指示に対して行動を

起すケースが多かったのです。

 

しかし、第2創業期を迎え、業界トップの現状に甘んじずにさらに上を目指すためには、お客様のニーズを最も把握している

営業スタッフが自らの意見とアイデアを持ち、むしろ経営陣に対して情報や企画を上げ、自ら率先して行動することが

求められます。

 

社長も新入社員向けに「企業はエクセレントカンパニーにはならなくて良い。それよりもエキサイティングカンパニーに

ならなければならない」というメッセージを発信しています。
そのため、さらなる成長の原動力には、組織のエキサイティングな活力、ひいては各個人の高いモチベーションが

欠かせないと判断しました。
個人のやる気を引き出すためには、その上司のマネジメントが重要な鍵です。

 

そこで今回の研修では、管理職のモチベーションマネジメントこそが、部下のやる気を引き出し、行動力を育み、そして

組織を活性化させる鍵であることを管理職自身に認識させ、その具体的な手法を体得してもらうことを目的としました。


研修の3ステップは、どのような流れで実施したのですか?

まず、2005年に弊社の原点である経営理念を再認識してもらうための経営理念研修を実施しました。
その上で、2006年10月に管理職としての基礎を再認識させるモチベーションマネジメント研修〜基礎編(リンカーンF)を

実施後、2007年2月にマネジメントの手法を体得する同研修〜技術編(リンカーンA)、同年5月に習得したスキルの

定着とモチベーションの維持を図る同研修〜定着編(リンカーンフォロー)を導入しました。


各ステップ研修の目的や内容はいかがでしたか?

最初に行ったモチベーションマネジメント研修〜基礎編(リンカーンF)は、管理職としての役割を再認識するとともに、

自己開発課題を策定するのが目的でした。

 

まずマネジメントの現状を把握するために、受講者のマネジメント状態に対するサーベイを、受講者の部下からと上司からの

2方向で実施しました。
その結果、部下が求めていることに対して十分に応えられていないことや、想いを込めて指示しているつもりが部下には

全く伝わっていないなど、意思疎通が取れていないマネジメントの現状が分かったのです。

 

この客観的なサーベイデータは「自分たちが変わらなければならない」という気付きを促す強烈なインパクトになったようで、

受講者からは「部下のモチベーションを高め維持することが一番重要なことだと考えてコミュニケーションを強化していた

つもりだったが、双方向ではない一方的なコミュニケーションが多いままだったことに驚いた」「自分を客観的に観ることが

できた上、自分の弱みが具体的に何であるかが判った」などの感想が聞かれました。

 

そして、その「気付き」を得たことで、体感型のグループワークによって学んだ管理職に求められる

4機能「情報提供・情報収集・判断行動・動機形成」の重要性を理解できたと思います。

 

従来のような全員に対して同一の対応をするのではなく、“やる気”を引きだすONE to ONEのモチベーションマネジメントが

いかに重要であるかを体感できたようです。


次のステップである技術編(リンカーンA)の内容は?

技術編(リンカーンA)の目的は、4機能のうち「動機形成」に焦点をあて、部下のモチベーションを高めるための仕組みや

具体的なアクションを習得してもらうことにありました。

 

今の管理職社員は、自分達が入社したときに先輩から手取り足取り仕事の指導を受けることなく、自己責任で仕事に

取り組んできた層です。
そのため「放っておいても部下は成長する」という認識が根強く、まずは、その考え方をリセットし、モチベーションの高さを

構成する3つの要素「目標の魅力」「危機感」「達成可能性」を理解してもらうことから始めました。

 

また、今の若手社員は、管理職社員以上に仕事に対する価値観が多様化しています。
仕事を重要視しながらもプライベートとのバランスを大切にしますし、何よりも「叱られる」というストレスにも慣れていません。
しかし、やみくもに褒めても伸びるわけでもありません。
そこで、体得してもらったのが「モチベーションを高めるための9の効果」。「スポットライト効果」、「ライバル効果」、

「ロールプレイング効果」など9つのマネジメント手法を学ぶことができました。
受講者からの評価も高く、「目標達成へのモチベーションがどうすれば高められ、どうすれば下がるのかを体系的に

実感できた」「モチベーションを上げるマネジメントについて、自分自身が認識していない、もしくは、軽視しているところが

ハッキリと示され認識できた。今後の改善に役立てたい」「今までモチベーションを抽象的に捉えていたが、今回の9の

効果を学び、実践できる自信がついた」などの感想が聞かれました。


最後のステップである、定着編(リンカーンフォロー)はいかがでしたか?

この3ステップ目では、初回の研修からの半年間を振り返り、現場でのモチベーションマネジメントにどのような変化が

表れたかを把握するとともに、習得したスキルを再確認し、能力として定着させることを目的としました。

 

基礎編・技術編で感じた「気付き」や体得した「モチベーションマネジメント」を職場で実践した結果、どのような変化が

起きたのかを実感できるように改めてサーベイを実施し、フィードバックしました。
その上で、グループワークにて受講者同士でアドバイスを行ったのですが、「前回と今回のサーベイを見比べ、

改善すべき要素がより明確になった」「まだまだ目標とのギャップを感じ、自分を見つめ直す良い機会になった」など、

さらなる自己研鑽への意識が高まった感想が聞かれました。

 

その後、目指すべき管理職像を言語化し、その変革に向けた課題開発をプランニングできたことで、モチベーション

マネジメントが定着し、今後のブラッシュアップにも弾みが付いたようです。


研修後、受講者からはどのような感想がありましたか?

サーベイの実施は弊社で初めての試みだったのですが、その客観的な評価が、受講者の変化への意気込みを

高めたようですね。

 

「部下から評価されるのは初めての体験でドキドキしたが、サーベイから“部下の想い”が伝わってきて、素直に

受け止められた」「サーベイによって、今後のやるべきことが明確になった。他の社員もサーベイを受けて、

この気付きを体験して欲しい」「これまで会社で受けてきた研修の中で、一番の貴重な体験となった。

今後も継続してやって欲しい」など、部下や上司からの声が、受講者の「現状のままではいけない」という気付きを促し、

モチベーションマネジメントを必ず体得しようとする決意に繋がったようです。

また、各研修にあったグループワークは、受講者同士で管理職としての悩みや迷い、そして自分では気付かなかった

「強み」や克服すべき「弱み」などを本音で語り合うことができ、とても有意義だったという感想を受けました。


受講後、管理職社員にはどのような影響が表れましたか?

各自、モチベーションマネジャーになるための目標を言語化したのですが、そのテーマを部下に話し、「半年間で

達成するように頑張るから付き合って欲しい」と約束したり、部署に貼り出して公約した受講者もいるようです。

 

事実、部下の社員からも「話を聞いてくれるようになった」「面談をきっちりやってくれるようになった」などの報告を

受けています。
また、以前は部下に対して「とにかく決まったことだから」という指示の仕方が多かったのですが、今では

「なぜ取り組まなければならないのか」とか「部署として、このような目標を目指して行きたい」など部下の納得感を

高められるコミュニケーションに変革しているようです。

 

その上で、部下を皆の前で注目させる「スポットライト効果」など9の効果を組み合わせて、やる気の向上を

図っているようですね。
今回の3つの研修を通して、各管理職社員はモチベーションマネジメントの有効性と、それを継続し続けることの

重要性を認識しました。
このことは、部下に対してだけではなく、受講者の上司に対しても自分の意見を伝えようという意識にも

繋がっているようです。

この相乗効果が弊社をより活性化させることと期待しています。

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